牛乳はいつから飲まれているのか?
日本で牛乳が初めて飲まれたのは飛鳥時代の645年。
孝徳天皇が「薬」として飲んだのが最初だとされています。
その後、江戸時代までは、あまり飲まれることがなく、高価な品として扱われました。
開国し、欧米人との接触が増えると、前田留吉が牧場を開き、
天皇が飲んでいることが報じられると、国民の間でも浸透していきました。
学校給食では1946年までアメリカの支援として「脱脂粉乳」が使われていましたが、
1958年ごろから国産牛乳が使われるようになりました。
現在は、飲用牛乳を含めた乳製品の1人あたりの消費量は、欧米に比較して少ないですが
年々増加している傾向にあります。
牛乳と異なる「乳飲料」「成分調整牛乳」
牛乳にはいくつか種類があります。
①牛乳 …生乳を加熱殺菌した、一般的な牛乳
②低脂肪牛乳 …生乳から乳脂肪分だけを取り除き、乳脂肪分の比率を調整したもの
③無脂肪牛乳 …ほとんどの乳脂肪分を取り除いたもの
④成分調整牛乳 …生乳から特定の成分を取り除いたもの
⑤加工乳 …生乳にバターやクリームなどの乳製品を混ぜたもの
⑥乳飲料 …生乳にバターなどの乳製品以外の、本来含まれていない成分を加えたもの
市販に売られている牛乳で「低脂肪」、「濃厚」など書かれているものは
何かしらの加工が行われています。
牛乳は日本人に合わないのか?
牛乳は日本人に合わないから控えた方がいい。
という話をよく耳にします。
その理由として
①牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、下痢になったりする。
③前立腺がんや乳がんになる。
などが挙げられます。
これらの噂が事実なのかどうか? を↓で見ていきます。
牛乳を飲んでお腹が痛くなる原因
よく日本人は牛乳が合わないため、飲むと「お腹をこわす」と耳にします。
その原因は日本人の体質にあります。
日本人は欧米人に比べ、牛乳に含まれている「乳糖」を分解できない
「乳糖不耐症」の人の割合が高い(約2割)とされています。
日本人全体で見ても、欧米人に対して「乳糖」を分解しにくい体質です。
さらに、哺乳類は成長につれ、乳糖を摂取必要性がなくなるため、
大人になると乳糖分解酵素の活性が低下します。
小腸で分解できなかった「乳糖」は大腸で分解されます。
腸内細菌が働くことによって生じた酸やガスによって
お腹が痛くなったり、下痢をするなどの症状が起きます。
一方で、大腸にたどり着いた「乳糖」を分解するため、
善玉菌である「ビフィズス菌」が多く、長寿に影響を与えている
という論文出ています。
牛乳は「がん」の原因になるのか?
牛乳や乳製品が がん の原因になると言われることがあります。
他目的コホート研究の調査によると
乳製品をよく摂取する人は「前立腺がん」になりやすい
とのことです。
要因としては牛乳に含まれている、
「カルシウム」や「飽和脂肪酸」が挙げられていますが、
まだ研究途中とのことで。結論づけられていません。
一方で、牛乳が「大腸がん」「乳がん」の予防になる という研究結果も出ています。
しかし、直接的な因果関係は明らかになっていないため、
予防になるかどうかは定かではないとのことです。
結論:牛乳は健康にいいの?
牛乳にはカルシウムやビタミンAが豊富に含まれており、
体に必要な「アミノ酸」が多く含まれているというメリットがある一方、
乳糖を消化しにくい日本人は。お腹を下すというデメリットがあります。
また、過剰摂取すると栄養の摂りすぎとなり
「がん」になるリスクも上がるという調査結果も出ています。
そのため、健康には適度に摂取することが大切かと思います。
お腹を下しやすい人は、乳糖が減少している「ヨーグルト」を
食べると、必要な栄養素が摂取できるかと思います。