ガムやタブレットに「キシリトール」が含まれていることはよく知られています。
「キシリトール」は爽やかな気分にしてくれるなど、
様々なイメージがありますが、そもそもキシリトールとは何でしょうか?
ガムを噛むことがいいのかどうか見ていきます。
ガムに含まれる「キシリトール」とは?
キシリトールは糖アルコールの一種で、砂糖と同じくらいの甘さが特徴です。
自然界にも多く存在し、イチゴやホウレンソウなどの植物に含まれています。
「人間の肝臓のグルクロン酸回路でも10グラム程生成される」とされていますが、
キシリトールは、糖アルコールのため肝臓で少し代謝され、血中に保持されます。
そして、グルコン酸回路は解毒をおこなう、解糖系の側路になります。
そのため、体内で生成されることはなさそう?かなと思います。
(キシリトール体内で生成されるという論文が見つからなかったため不確か)
キシリトールは唾液分泌作用を刺激するため、「虫歯」を防ぐとされています。
他にも、低カロリーのため糖質制限をしている人に勧められています。
流通しているキシリトールの大半は工業的に作られています。
白樺などの木から抽出されたキシランヘミセルロースを原料に作られています。
白樺の木は「爪楊枝」にも使われ、体には害がないとされています。
他の甘味料との違い
そもそも、糖アルコールとは砂糖などと同じ「糖質」に含まれます。
砂糖など他の糖質に比べて、
①熱に強い ②微生物の栄養源になりにくい ③消化吸収されにくい
という特徴を持っています。
自然界に多く存在していますが、流通している大部分は工業的に生産されています。
そのため、食品表示では「食品添加物」や「甘味料」として扱われます。
他の甘味料には「アスパルテーム」や「アセスルファムカリウム」などがあります。
これらの甘味料は「発がん性」の危険性などが話題になっていますが、
「キシリトール」は比較的安全で、人間に与える影響は小さいとされています。
そして、「キシリトール」は分解するときに熱を奪うため、爽快感が得られます。
キシリトールは「歯」にいい
「ガムを噛むと虫歯になりにくくなる」とよく聞きます。
実際に、キシリトールは歯に良い影響を与えという研究結果が出ており、
使用した場合、30〜80%の確率で虫歯を予防することがわかっています。
キシリトールが歯に良い理由としては
①虫歯の原因となる細菌の成長を抑制すること
②口内のpHを中立的なレベルに保ち、歯の溶解を防ぐこと
③歯の再石灰化を促進すること
などが挙げられます。
キシリトールを含め糖アルコールは、口の中でゆっくりと解けるため、
粘膜に付着している時間が長く、持続的に唾液腺を刺激します。
結果として、唾液の量が多くなり、失われたエナメル質を修復し、再石灰化します。
また、キシリトールは他の糖と違い、虫歯の原因となる「酸」を作らないことや、
虫歯菌であるミュータンス菌の活動を弱める特徴があります。
このため、「キシリトールは歯にいい」と結論付けられています。
ガムを噛むことに害はあるの?
キシリトール自体に害じゃありませんが、
「ガム」や「タブレット」に含まれている
別の原材料は害となる可能性があります。
例えば、有名なミント味のガムの表示を見てみると、
マルチトール(外国製造)/甘味料(キシリトール、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)、ガムベース、香料・・・となっています。
これらのうち、アスパルテームには発がん性が指摘されており、
L-フェニルアラニン化合物は依存性があるのではないかと指摘されています。
このように、キシリトール以外の成分が、害をなす可能性があります。
また、甘味料の割合のうち、キシリトールが少ないと歯に対する良い効果が
見込めない場合もあります。
そのため、ガムを噛むことが健康につながるかどうかは
どんな成分のガムを噛むかによって変わります。
結論:ガムを噛むと健康になるのか?
ガムを噛むことによって
歯を強くし、虫歯を防ぐことができます。
さらに、脳への血流改善や顔の輪郭改善など様々な期待がされています。
代表的な成分である「キシリトール」も甘味料の中では安全な分類に含まれ、
複数の研究で、危険性はないと断言されていることから、
安全な食べ物だと考えられます。
一方で、キシリトール以外に危険性が指摘されている成分が
含まれている可能性があるので、
ガムを選ぶときは成分表示を意識して見てみると良いでしょう。